7年間待った。
7年前、第53期王位戦七番勝負。あの王位戦は楽しかったけど悲しかった。とにかくタイトル奪取を信じて長野、長崎、徳島の現地まで応援しに行った。それがとても楽しかった。応援している棋士がタイトル戦に出ている。
しかし最終局となった徳島対局、どのような気持ちだったか、藤井システムを登場させ、敗れた。この将棋はむしろ羽生善治王位の方に新手☗1六角という手が出て、それがいかにも好手に見えて、2日目は観ていてずっと苦しかった。
終局後、全身の力が抜けてしまったような姿。全てを費やして敗けてしまったのだと思い、改めて羽生善治という壁の高さを感じ、悲しくなった。
王位戦中継Blog:終局直後の対局室
http://kifulog.shogi.or.jp/oui/2012/08/post-febc.html
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あれから7年、再び羽生善治 - 藤井猛というカードが実現した。
九段戦 | 段位別予選 | 第5期 叡王戦
http://www.eiou.jp/qualifier/
【将棋】第5期叡王戦 九段戦 羽生・屋敷・藤井 - ニコニコ生放送
https://live.nicovideo.jp/gate/lv321367399
(※プレミアム会員であれば予約していなくてもタイムシフト視聴可能です)
この前に羽生善治九段 - 屋敷伸之九段戦があったため実現するかどうかは分からなかったが、もし羽生善治 - 藤井猛というカードが実現したならば、個人的に今の藤井九段のメインテーマと思っている角交換振り飛車になると思っていた。
しかし藤井九段の選択は後手藤井システム!
藤井システムを用いて敗れたあの7年前。その続きを観るような想いになった。
そもそも第11期竜王戦挑戦者決定戦、第13期竜王戦七番勝負。最初は羽生善治九段をもってしても、藤井システムに挑戦するような立ち位置だった。藤井システムはそれほど将棋界を席巻していた。藤井九段だけの特別な球はしばらく誰も打ち返せなかった。それが居飛車党に寄ってたかって研究され、文字通り「藤井猛 対 全世界」となり、藤井システムへの様々な対策が出てきて、ついに藤井システムはファーム落ちしてしまった。
藤井システムの対局数は減った。藤井システム党は居飛車党に転向したりもした。それでも、藤井九段は☖6四歩〜☖9四歩型など新しい形を磨いていた。
羽生九段が採用したのは☗3六歩としてから穴熊に組む形。これは昔からある指し方だ。急戦ではなく穴熊を志向したことにニコ生のコメントは大いに盛り上がっていた。藤井システムは急戦にも対応することも含めて藤井システムだが、多くのファンは穴熊に敢然と攻めていく藤井システムを好んでいる。先日行われた広瀬藤井猛戦(京急将棋まつり席上対局)でも、☗9八香の瞬間、拍手が上がった。藤井九段の方の指し手ではない。もはや職人芸を披露する場のようである。
☗3六歩と☖6二玉の交換を入れて☗9八香から穴熊にする形は、後手玉の危険度が上がっていたり、後々☖6五歩から攻められたときに☗7八玉と戻って☗9八香の一手を活かすことができたり、居飛車のメリットが大きい。
対して藤井九段が今回採用したのは、☖4三銀等銀を活用して6筋をおさえるのではなく、近年の形である☖8四歩型だった。
そして☖9六歩。☗同歩☖9七歩☗同桂☖9六香☗8五桂☖9七歩。☖8四歩型からこの端攻めは新しかった。なるほど☗8五桂と跳んでも☖8四歩が待ち構えており、☖8五歩〜☖8六歩と伸びる形を見据えている。実際、後に☖8六歩という突き捨てが好手になった。☖8四歩型を精一杯活かしている。序盤の一手、形を最大限に活かすのが藤井将棋である。
そもそも藤井システム調の将棋では歩の枚数を節約できる☖9七桂成〜☖9六歩がほとんどで、☖9六歩から入る端攻めはレアケースだ。藤井九段は今でも藤井システムを進化させている。そしてその相手が羽生善治九段。藤井九段と羽生九段は藤井システムの定跡を創ってきた。本局でもまた、藤井システムの定跡が作られようとしていた。
60手目☖8三金は本局で最も感動した手。藤井システム登場以降、穴熊側はすぐ潰れないよう駒組みを洗練させたので、藤井システムは単純に穴熊に向かうだけでは攻めが切れてしまう。本局も藤井九段は歩切れになり、攻めは細かった。しかしそこで☖8三金。こういう手を指せないと藤井システムを指しこなせない。思いついても実戦で指さなければならない。攻めの手段が一瞬なくなる上、☗9六香で☖7三角成〜☖9四香の二枚替えがあるため、相当に勇気がいるはずだ。それを藤井九段は40秒で指し、羽生九段は困った。
65手目☖6七角と打ち込むところ、藤井九段の攻めが切れたと思っていたニコ生コメントも多かったが、局後のコメントでは羽生九段も藤井九段も後手良しと思っていた。藤井システムが、藤井九段が緻密な手を紡ぎ、ついに有利を築いた。7年前の悪夢を払拭した。
しかし☖9三香成は不気味だった。直前の羽生屋敷戦では、羽生九段は遠くの駒をフル活用して屋敷玉を追い込んだ。藤井九段も9三の成香を活用されたら敗けてしまうと思った。
終盤、☗2四歩に☖3九馬と突如ギアチェンジしたのには驚いた。その後☗2三歩成(23秒)☖2八馬(10秒)☗3二と(16秒)はノータイムの応酬。これまで緻密に手を紡いできた将棋だったのに突然の斬り合いとなった。普段は秒をすべて使う二人でもここは気合と言わんばかりに駒を取り合った。ニコ生コメントは多くの悲鳴が上がっていた。
☗3二と が後手玉に近すぎる。それなのに☖2四角(44秒)と逃げて手番を先手に渡した。『一歩竜王』の☗9八飛を彷彿とさせるが、あまりにも危ない形だ。
この局面、藤井九段は後手玉に寄り無しと見ていた。確かに挟撃にしては9三成香は遠いし、7三の地点には銀も馬も利いている。しかし☗5五桂がそれを打ち砕く好手。7三の利きがなくなり、簡単に挟撃形を作られそうになった。
それでも藤井九段は☖8五歩と先手玉に向かったため、ニコ生の悲鳴はますます増えた。中川八段も興奮気味。☖8五歩は☗同銀とは取りにくいが、次に☖8六歩と取り込めなければ詰めろにならない。そこで羽生九段は☗6五香を放ち強烈な挟撃形を作った。藤井玉は動ける場所がない。
藤井システムは攻めが一方的に決まることがある爽快感を持つ一方、居玉で玉が薄いためかならず大きな反動を受ける。どれだけ細い攻めをつないでいったとしても最後には反撃を受ける。これは藤井システムの宿命のようなもので、それでも藤井九段は彼我の陣形を見極め、ギリギリを繋ぎ、凌ぎ、勝ってきた。それが藤井将棋で、だから藤井ファンは興奮してきたし、藤井九段の人気にも繋がっている。
羽生九段は☗4二銀と寄せにきた。94手目☖4二同玉。後手玉はいかにも危ないが、中川八段が明快に詰ますことができない。この局面、なんと☖2四の角が絶妙に利いていて詰まないのだ。局後羽生九段は驚いていたし、中川八段はこの局面が不詰であることを「奇跡的」と評していた。ただ、藤井九段だけは☖2四角の利きで詰まない可能性を見ていた。
☗6五香の代わりに☗4二銀から攻めていけば、王手で追った先に☖8三成香と挟撃を作る手があり羽生九段の勝ちとのことだった。水面下ではやはり☖9三成香がキーの駒だった。
実際は☗6五香の次の☖8六歩が詰めろ逃れの詰めろになっていた。結果的かもしれないが、自玉の不詰を信じ、勇気を持って踏み込んだ見事な勝着だった。並は☗6五香の利きを恐れ☖6三桂で、実際の勝敗は分からないが、こういう手では敗けていたのだと思う。
「8六歩」という符号は、藤井ファンには『一歩竜王』の観戦記で馴染みがある。こういうのは単なる偶然でさほど意義を見出だせるものではないが、久々の羽生藤井猛戦、藤井システム、斬り合いの後ふと手を渡すやりとり、詰むや詰まざるやという条件が重なっての勝着「8六歩」にドラマを感じる気持ちは分かる。
最後は☖5一玉と「定位置」に戻って羽生九段の投了となった。この終局図を「美しい」と評している人もいた。
藤井猛九段が羽生善治九段に勝った。7年ぶりに勝った。後手番では19年ぶりに勝った。棋士が一番指すこと、それはとても対等で、どの棋士においても対等のはずだが、こんなに嬉しく感じることはやはりそうそう無い。藤井システムはますます進化していること、それが羽生善治九段に通用すること、羽生九段相手に終盤のねじり合いで勝ちきったこと、多くの藤井ファンが喜んでいること……。
局後、急遽行われた藤井九段インタビューで、藤井システムの採用はファンサービスの意味合いもあったことを告白していた。藤井九段にしては珍しいので自分の予想が外れたのもやむなし。その代わり、最高の対局を見ることができた。藤井九段が採用したのが角交換四間飛車でも同様に感動したと思うが、藤井システムは一度ファーム落ちしてしまった過去があるため、今勝つことはやはり格別な意味を持つ気がして、喜びもひとしおなのである。
私は、藤井九段のあの勝利後の笑顔を見たいがために応援している。
藤井九段、素晴らしい将棋をありがとうございました。
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棋譜(羽生善治九段 対 藤井猛九段)
http://www.eiou.jp/kifu_player/20190903-2.html
涓滴雑記帳
鰻屋本舗(将棋)管理人ブログ
2019年9月8日日曜日
2017年3月29日水曜日
波長の合う二人
第30期竜王戦1組5位出場者決定戦第1回戦、藤井猛九段 対 山崎隆之八段。負ければ2組降級の一局。本局は過去の藤井山崎戦の中でも屈指の熱戦だと思ったので、ここに感じたことをつらつら書いておく。
棋譜は日本将棋連盟モバイルで閲覧可能である。
藤井九段も山崎八段も独創派の棋士と知られ、藤井猛山崎戦はいつも独特の序盤となる。藤井九段は発想と深い研究からその独創性を磨き上げたが、山崎八段は全く自由な感覚からその独自性が生まれており、単に「独創派の棋士」と言っても全く系統が違う。
二人の対局は、棋譜コメントにもあるように、どちらかと言うと山崎八段の方が変わった形を目指し、藤井九段がそれに反発するようなイメージがある。本局もやはり、山崎八段が幕開けから☖6二銀〜☖1四歩〜☖1五歩と指し、さらに右辺を厚くするという、振り飛車に対して挑発的とも言える形を目指した。
一方、本局の藤井九段は三間飛車に構え、淡々と美濃囲いに組んだ。藤井九段は、端を詰められた美濃囲いをよく指す。これは、端に一手掛けても端攻めを誘発する恐れがあること、また、端の一手を左辺または中央に回してポイントを挙げる狙いがある。実際には、その時々の形に、端歩を突き返すかどうかの判断材料が多くあるのだろうと思う。そうして様々な理由をもって、安易に端歩を突き返さない藤井将棋が、私は好きなのである。
序盤は山崎八段の作戦勝ちとなった。藤井九段に予定変更があったようだが、それを誘発した山崎八段の作戦、感覚が見事だった。
藤井九段の将棋の魅力の一つに、序盤で作戦勝ちを収め、中盤で一気に勝ちに持っていく「勝ちパターン」がある。僅かな有利を一気に勝勢まで持っていき、終盤なく勝ち切る圧倒的な力に、幾度となく興奮してきた。
本局でその勝ちパターンは期待できなくなったが、一方で、ちょっと悪い将棋になっても、力づくでなんとかしてしまう中盤も、また魅力的なのである。
本局の中盤は、まさにそれだった。
55手目☗4五銀☖4四歩☗5六銀。後手の角道を止め、争点を作ったとは言え、銀を出て引いただけで手番を渡した。控室の船江六段も驚愕した手順だが、苦しい局面の中で最善を尽くしているように感じた。しかし、対する山崎八段の☖7三桂〜☖8一飛は最も堂々たる態度で、こちらは自信を感じさせた。
61手目、☗4五歩でいよいよ玉頭戦が始まった。先手は玉頭にそれほど手厚くない美濃囲いとは言え、後手の駒はさらに離れており、玉頭戦になるのであれば藤井九段らしい「力づくでなんとかする」将棋が見られる気がした。そして、それは現実となった。
69手目☗5六金から☗4四歩☖同角☗4五金という伸びやかな金の活用は、「一歩竜王」の将棋を彷彿とさせる左金捌き。睨みが厳しかった2二の角を5三に押しやり、☗6五歩で☖4六角を防ぎながら飛車に活力を与え、夕休前には四方に利く角打ちで王手飛車を掛け、先手が盛り返した。「さすが藤井九段!」と心の中で叫んだ。
ところが、夕休前からたっぷり時間を使い、休憩明け直後に指した☗8一角成が疑問手だったようで、難しい局面になってしまった。意外と後手玉が寄らず、☖6八飛の単純な王手が厳しい。
局面は混沌とし、ここからの手順もまた、ただひたすらに混沌としていた。
☗4八銀の合駒に☖6九飛成!とした。一見☗5九金で弾かれそうだが、藤井九段は☗3九金!と逆方向に寄った。☖3八金の放り込みが厳しかったのかもしれないと思っていたところに今度は☖3八歩成!と何も打ち込まずただ拠点を消した。驚愕に驚愕を重ねたやりとりだったが、さらに藤井九段は僅か6分で☗同玉!と取った。藤井九段の読み筋だった。
この手順が読み筋というのは何度並べても驚愕である。それは山崎八段の☖6九飛成や☖3八歩成という、一見読みづらいような手も読み筋にあったということで、対局者からすればこれが最善を求めた自然な手なのかもしれないが、藤井九段と山崎八段の波長が合っているのだと感じた。対局者同士が感じる波長というのは恐らくあるもので、対局者同士の読み筋が不思議と合うようなことがあると思う。一方で、周りが簡単に気づくような見落としを、両対局者が見落としていたりもする。
そして117手目、本局最大のハイライトが訪れた。
☗2九玉に39分が費やされた。藤井ファンにとって長い長い、終盤の長考だった。
直前の☗5一飛は50分を残して指された。☖3七金を明らかに誘っていて、流れは完全に先手にあると思った。☗2九玉を指さずに時間を使って勝ちを確認するのはプロらしいとすら思っていた。
冷静になってみると、その☖3七金は僅か4分で指されていた。実は後手の罠だったのかもしれない。よくよく考えると、と金を残し、駒をもらって後手玉を討ち取るという、リスクの高い手順である。何があってもおかしくない怖さが沸いてきた。考慮時間は20分を超えていた。
長考中、棋譜コメントは高い頻度で更新され、緊張感が続いた。その途中で☖2一桂という手が示された。金を渡し、もらった桂馬で受けに回るという、信じられない発想だった。そして、自分の棋力では☖2一桂に対する有効な手が見えなかった。30分を超えてもまだ指さない。もはや異常事態のように感じた。
果たして、☗2九玉が指された。対して後手はノータイムで☖3三歩。3三の地点を受ける意味では☖2一桂と同じだ。桂馬を使わず歩で受かるのならその方が良い。良い手だと思った。
しかし、これは藤井九段の読み筋でもあった。何か先手に好手があるのかもしれないが、☖3三歩ではなく☖2一桂が本線ではない辺り、ここでも波長が合っている。
ここからの藤井九段の手順は軽妙だった。☗3四歩の突き出しから、☗4六馬と連続で詰めろを利かせ、☗4三歩成。広いように思えた後手玉だが、これもまた詰めろになっている。☖同角に残り16分から8分を費やしたのを見ると、もしかしたら軽視していたかもしれない。攻防に効いていた角を引かせ、ここで再び、藤井九段が優位に立ったと感じた。
あとで感想戦コメントを見ると、異常事態のように感じた39分も、再度の読み直しが主なようだった。見る方は勝手に解釈し、勝手に感情を抱くものである。
ところが、直後に☖3七桂不成☗同馬☖4八銀☗同馬☖2七桂不成という、桂不成2連発の妙手順があったようだ。この将棋はどこまで行っても信じられない手順が潜んでいる。
実戦はこの順が現れず、☖5四角が敗着となった。
最後、☗3一銀〜☗2二角という「イモ手」で勝ち決めるのも、また藤井九段らしいと思った。大駒小駒に限らず、こういった短い利きで勝つのがなんとなく「らしい」のである。
本局、濃密な中終盤で、名局だった。お互いが最善手ばかりを指した訳ではないかもしれないが、驚愕のやり取り、勝負手、悪手、見落とし、人間同士ならではのドラマに溢れていた。
感想戦コメントは、藤井九段と山崎八段らしい、正直で自虐的なやりとりが何度も繰り返されていた。この調子で1時間30分近くも感想戦を行ったあたりも、波長が合っているように思う。
感想戦コメントによると、藤井九段の力づくでなんとかしたように見えた中盤も、実際は☖3五歩などの疑問手で藤井九段に暴れる手段を与えてしまい、難しくしてしまったようだった。ただ、その☖3五歩のような手を、僅か1分で指してしまうようなところに、山崎八段の悲劇性を感じてしまう。
山崎八段には、これまで数々の悲劇性を感じてきた。それだけに、タイトル獲得や、A級昇級を願わずにはいられない。今期B級1組最終局も、明らかに悪い将棋ながらひたすら盤上に没頭して粘る姿があった。生中継でその様子を見ていて、私はずっと泣いていた。あのひたむきさが、どうか報われて欲しい。
棋譜は日本将棋連盟モバイルで閲覧可能である。
藤井九段も山崎八段も独創派の棋士と知られ、藤井猛山崎戦はいつも独特の序盤となる。藤井九段は発想と深い研究からその独創性を磨き上げたが、山崎八段は全く自由な感覚からその独自性が生まれており、単に「独創派の棋士」と言っても全く系統が違う。
二人の対局は、棋譜コメントにもあるように、どちらかと言うと山崎八段の方が変わった形を目指し、藤井九段がそれに反発するようなイメージがある。本局もやはり、山崎八段が幕開けから☖6二銀〜☖1四歩〜☖1五歩と指し、さらに右辺を厚くするという、振り飛車に対して挑発的とも言える形を目指した。
一方、本局の藤井九段は三間飛車に構え、淡々と美濃囲いに組んだ。藤井九段は、端を詰められた美濃囲いをよく指す。これは、端に一手掛けても端攻めを誘発する恐れがあること、また、端の一手を左辺または中央に回してポイントを挙げる狙いがある。実際には、その時々の形に、端歩を突き返すかどうかの判断材料が多くあるのだろうと思う。そうして様々な理由をもって、安易に端歩を突き返さない藤井将棋が、私は好きなのである。
序盤は山崎八段の作戦勝ちとなった。藤井九段に予定変更があったようだが、それを誘発した山崎八段の作戦、感覚が見事だった。
藤井九段の将棋の魅力の一つに、序盤で作戦勝ちを収め、中盤で一気に勝ちに持っていく「勝ちパターン」がある。僅かな有利を一気に勝勢まで持っていき、終盤なく勝ち切る圧倒的な力に、幾度となく興奮してきた。
本局でその勝ちパターンは期待できなくなったが、一方で、ちょっと悪い将棋になっても、力づくでなんとかしてしまう中盤も、また魅力的なのである。
本局の中盤は、まさにそれだった。
55手目☗4五銀☖4四歩☗5六銀。後手の角道を止め、争点を作ったとは言え、銀を出て引いただけで手番を渡した。控室の船江六段も驚愕した手順だが、苦しい局面の中で最善を尽くしているように感じた。しかし、対する山崎八段の☖7三桂〜☖8一飛は最も堂々たる態度で、こちらは自信を感じさせた。
61手目、☗4五歩でいよいよ玉頭戦が始まった。先手は玉頭にそれほど手厚くない美濃囲いとは言え、後手の駒はさらに離れており、玉頭戦になるのであれば藤井九段らしい「力づくでなんとかする」将棋が見られる気がした。そして、それは現実となった。
69手目☗5六金から☗4四歩☖同角☗4五金という伸びやかな金の活用は、「一歩竜王」の将棋を彷彿とさせる左金捌き。睨みが厳しかった2二の角を5三に押しやり、☗6五歩で☖4六角を防ぎながら飛車に活力を与え、夕休前には四方に利く角打ちで王手飛車を掛け、先手が盛り返した。「さすが藤井九段!」と心の中で叫んだ。
ところが、夕休前からたっぷり時間を使い、休憩明け直後に指した☗8一角成が疑問手だったようで、難しい局面になってしまった。意外と後手玉が寄らず、☖6八飛の単純な王手が厳しい。
局面は混沌とし、ここからの手順もまた、ただひたすらに混沌としていた。
☗4八銀の合駒に☖6九飛成!とした。一見☗5九金で弾かれそうだが、藤井九段は☗3九金!と逆方向に寄った。☖3八金の放り込みが厳しかったのかもしれないと思っていたところに今度は☖3八歩成!と何も打ち込まずただ拠点を消した。驚愕に驚愕を重ねたやりとりだったが、さらに藤井九段は僅か6分で☗同玉!と取った。藤井九段の読み筋だった。
この手順が読み筋というのは何度並べても驚愕である。それは山崎八段の☖6九飛成や☖3八歩成という、一見読みづらいような手も読み筋にあったということで、対局者からすればこれが最善を求めた自然な手なのかもしれないが、藤井九段と山崎八段の波長が合っているのだと感じた。対局者同士が感じる波長というのは恐らくあるもので、対局者同士の読み筋が不思議と合うようなことがあると思う。一方で、周りが簡単に気づくような見落としを、両対局者が見落としていたりもする。
そして117手目、本局最大のハイライトが訪れた。
☗2九玉に39分が費やされた。藤井ファンにとって長い長い、終盤の長考だった。
直前の☗5一飛は50分を残して指された。☖3七金を明らかに誘っていて、流れは完全に先手にあると思った。☗2九玉を指さずに時間を使って勝ちを確認するのはプロらしいとすら思っていた。
冷静になってみると、その☖3七金は僅か4分で指されていた。実は後手の罠だったのかもしれない。よくよく考えると、と金を残し、駒をもらって後手玉を討ち取るという、リスクの高い手順である。何があってもおかしくない怖さが沸いてきた。考慮時間は20分を超えていた。
長考中、棋譜コメントは高い頻度で更新され、緊張感が続いた。その途中で☖2一桂という手が示された。金を渡し、もらった桂馬で受けに回るという、信じられない発想だった。そして、自分の棋力では☖2一桂に対する有効な手が見えなかった。30分を超えてもまだ指さない。もはや異常事態のように感じた。
果たして、☗2九玉が指された。対して後手はノータイムで☖3三歩。3三の地点を受ける意味では☖2一桂と同じだ。桂馬を使わず歩で受かるのならその方が良い。良い手だと思った。
しかし、これは藤井九段の読み筋でもあった。何か先手に好手があるのかもしれないが、☖3三歩ではなく☖2一桂が本線ではない辺り、ここでも波長が合っている。
ここからの藤井九段の手順は軽妙だった。☗3四歩の突き出しから、☗4六馬と連続で詰めろを利かせ、☗4三歩成。広いように思えた後手玉だが、これもまた詰めろになっている。☖同角に残り16分から8分を費やしたのを見ると、もしかしたら軽視していたかもしれない。攻防に効いていた角を引かせ、ここで再び、藤井九段が優位に立ったと感じた。
あとで感想戦コメントを見ると、異常事態のように感じた39分も、再度の読み直しが主なようだった。見る方は勝手に解釈し、勝手に感情を抱くものである。
ところが、直後に☖3七桂不成☗同馬☖4八銀☗同馬☖2七桂不成という、桂不成2連発の妙手順があったようだ。この将棋はどこまで行っても信じられない手順が潜んでいる。
実戦はこの順が現れず、☖5四角が敗着となった。
最後、☗3一銀〜☗2二角という「イモ手」で勝ち決めるのも、また藤井九段らしいと思った。大駒小駒に限らず、こういった短い利きで勝つのがなんとなく「らしい」のである。
本局、濃密な中終盤で、名局だった。お互いが最善手ばかりを指した訳ではないかもしれないが、驚愕のやり取り、勝負手、悪手、見落とし、人間同士ならではのドラマに溢れていた。
感想戦コメントは、藤井九段と山崎八段らしい、正直で自虐的なやりとりが何度も繰り返されていた。この調子で1時間30分近くも感想戦を行ったあたりも、波長が合っているように思う。
感想戦コメントによると、藤井九段の力づくでなんとかしたように見えた中盤も、実際は☖3五歩などの疑問手で藤井九段に暴れる手段を与えてしまい、難しくしてしまったようだった。ただ、その☖3五歩のような手を、僅か1分で指してしまうようなところに、山崎八段の悲劇性を感じてしまう。
山崎八段には、これまで数々の悲劇性を感じてきた。それだけに、タイトル獲得や、A級昇級を願わずにはいられない。今期B級1組最終局も、明らかに悪い将棋ながらひたすら盤上に没頭して粘る姿があった。生中継でその様子を見ていて、私はずっと泣いていた。あのひたむきさが、どうか報われて欲しい。
2013年5月18日土曜日
「恋の藤井システム」騒動まとめ
画像は藤井猛九段が考案した「藤井システム」.「将棋」に革命を起こした戦法です.
3月頃から,「乃木坂46メンバーのブログタイトルで『恋の藤井システム』というフレーズが入れられている」ことが密かに話題になっていました.
それがこの5月,「『恋の藤井システム』が次の6thシングルのタイトルになるのではないか」という噂と相まって,Twitterなどで将棋ファン,乃木坂46ファンの間で大きな話題になりました.実際に「藤井システム」がシングルのタイトルに入るとなると大きな事件です.それだけ「藤井システム」は将棋界にとって偉大な戦法なのです.
「藤井システム」は藤井猛九段が考案した戦法です.藤井九段は,それまでの将棋の常識「居玉は避けよ」,「玉飛接近するべからず」などを覆し,新しい理論を構築して将棋のタイトル「竜王」を奪取しました.
「藤井システム」のもう少し詳細なことについては,こちらをご覧ください.
-> 鰻屋本舗(将棋):藤井システムとは - 藤井猛九段公認応援サイト
藤井九段はその後も「藤井矢倉」,「角交換四間飛車」など,次々に新しい将棋を開発して活躍しており,将棋界の革命者としてプロ棋士の中でもファンが居る程魅力的な棋士です.
一方で,ご当地キャラの隣でおどけるなど,お茶目な面もあり,かっこいいと面白いの両面を持ち合わせた棋士です.
-> 王位戦中継Blog: 両対局者 出島を歩く(おまけ)
公開対局や解説会が開催される際は鰻屋本舗(将棋) - 藤井猛九段公認応援サイトでお知らせいたしますので,ぜひ足を運んでみてください(*^^*)
ということで,今回の「恋の藤井システム」に関するこれまでの流れをまとめてみました.
【2013年3月26日】
乃木坂46メンバーのブログで最初に「恋の藤井システム」というキーワードを用いたのが,若月佑美さん.
-> 恋の藤井システム。 | 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ
ご覧のとおり,タイトルに「恋の藤井システム」を用いながら本文では全く触れられていないので,最初にこの記事を見た時は,それなりに衝撃は受けながら,かなり謎の感覚に包まれました.
【2013年3月29日】
-> 藤井システム。いや......恋の藤井システム。たまこマーケットがおわってしまいました。これからどう過ごそうか...うぅうう。 というわけで将棋の勉強をしようと思います。どういうわけなんだろうか。笑 いやほら、能條さんやら斎藤さんやらにハブられてますんで暇なんですわ。笑 ハブになっちゃうぞ★シャー!! ...ってなんだこれぇ...笑 そして前回のブログの長さね。笑 最後までキッチリ読む人いないしょー笑 | 乃木坂46 齋藤飛鳥 公式ブログ
長い.タイトルが長い,長すぎる.いつも長いそうです.それにしても長い.長いですが,この長いタイトルの中で,「恋の藤井システム」ではなくて「藤井システム」というキーワード,さらに「将棋」というキーワードも出てきていて,「本当にあの『藤井システム』のことなのか」,という期待が高まります.
【2013年4月2日】
-> 月刊エンタメ買いました。読みました。中田と川後がメンバーの事をドルヲタ目線で語るというコーナーがあり、わくわくしながら読んだのです。。。 あしゅりんのことは、"ドルヲタから見た理想のアイドル像"だと!!!! 全文は載せませんが、理想のアイドル像 って書いてあった!! え!なにこれ! え!え?めっちゃ嬉しいじゃないですかこれ...笑 いやまあほら、人によってそりゃあ違うけどさ、ドルヲタから見た だからね!びっくりよ!ほんまに!! ...って喜んでますが、理想のアイドル像ってなんやー? あしゅのどこが理 Oz | 乃木坂46 齋藤飛鳥 公式ブログ
長(略 今度は本文中に次のような文章が出てきます.
あーコメントにいっぱいあったし握手会でもいっぱい聞かれた恋の藤井システム についてですが...藤井システムっていうのは将棋の言葉です(p`・ω・´q)それで、なぜ "恋の"なのかはまた近々お話したいと思います*
やはり将棋の藤井システムと言うことで間違いないようです.しかし「近々」はまた訪れていないようで,一体何なのかはやはり分からず.
【2013年4月24日】
-> 恋の藤井システム * 415paces | 乃木坂46 深川麻衣 公式ブログ
忘れかけたころにまさかの3人目.しかしやはり本文には「藤井システム」や「将棋」の話題は出てこず,謎は深まるばかりです.
【2013年5月16日】
-> 恋の藤井システム(。・ω・)ノ゙116 | 乃木坂46 秋元真夏 公式ブログ
ついにメンバー4人目.やはり本文では「藤井システム」等に触れられていませんが,さすがに4人目ともなると大きな話題になってきました.Twitterで一番最初に話題をひろげたのは,おそらくこちらのツイート.
乃木坂46 6th シングル・タイトルは「恋の藤井システム」らしい ソース→乃木坂メンが何人もブログ・タイトルに「恋の藤井システム」と書いてるから「藤井システム」は将棋の戦法名↓ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4…
— 苫としさん (@toshi01951) 2013年5月16日
-> Twitter / 検索 - "藤井システム"
【2013年5月17日】
Twitterの中でも,中村太地六段のつぶやきが反響を呼びました.
乃木坂46の新曲のタイトルが「恋の藤井システム」っていう話本当!?驚いた!藤井先生凄いな!どんな歌詞なんだろ(笑)
— なかむらたいちさん (@banibanilla) 2013年5月17日
これまでの流れは,将棋ペンクラブログさんがいつものように詳しく,面白く取り上げられています.
-> 将棋ペンクラブログ: 「恋の藤井システム」
【2013年5月18日】
片上大輔六段がTwitterでこんなことをつぶやいていらっしゃいました.
ところで今日の昼間、控室で某九段としばし「恋の藤井システム」について語り合った。「うどん」についても、語り合った。内容は、いずれも極秘。
— Daisuke Katagamiさん (@shogidaichan) 2013年5月18日
【2013年5月20日】
-> 恋の藤井システムカナ?481 | 乃木坂46 中田花奈 公式ブログ
メンバー5人目.中田花奈さんがタイトルにどかんと入れています.タイトルの最後に「カナ?」をいれるのが特徴のようですね.やはり本文中には藤井システムには触れられていません.
【2013年5月22日】
この日,大きく局面が動きます.
-> 困り顔が好きカナ?482 | 乃木坂46 中田花奈 公式ブログ
引き続き中田さん.本文中で
恋の藤井システムって6thのタイトル?と明確に否定されました.ということで,6thシングルのタイトルか,という説は完全に消えたことになります.
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
この質問けっこうあったんだけど何?ww
違うよ〜
そしたら一体「恋の藤井システム」とは一体…….
そんなところについに種明かしがされました.
-> どうしてコンタクトをつけたまま 昼寝して起きると目がシパシパし てあかないのだ。 | 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ
再び若月さん.思えば3月の若月さんの記事が始まりでした.
すっきり( ´∀`) しました.そういうことだったのですね.すっきりした反面,妄想タイムが終わって寂しさも感じます.今、巷で噂のいやむしろ中田ブログを見ての更新なんですが...恋の藤井システムの真実は実は文化放送の『乃木坂46の「の」』を担当してくださっている作家の方が将棋好きでこの文字の書かれたTシャツを着ているのです。で...乃木坂46の「の」に出演する人はよくそれを出演するということをシークレット的にタイトルにしているという訳なのであります。すっきり( ´∀`)
この「恋の藤井システム」Tシャツ,ミラッキさんが制作され,着用していたTシャツでしょうか.
-> コンピュータ将棋特集! : ドカベンアイランド
結局「恋の藤井システム」はシングルのタイトルではありませんでしたが,今回のこの騒動は「将棋」や「藤井システム」が広く知られる良い騒動だったと思います.
2012年10月25日木曜日
指導対局まとめ
今までに受けた指導対局の記録.棋士の肩書は対局当時のもの.
○……勝
●……負
----------------------------------------------------
2013/12/08 「将棋フェスティバル(@名古屋港湾会館)」
----------------------------------------------------
●藤井猛九段
棋譜
手合割:飛車香落ち
戦型:四間飛車
----------------------------------------------------
2013/08/03 「第47回東急東横店将棋まつり指導対局」
----------------------------------------------------
●藤井猛九段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:向飛車
----------------------------------------------------
2013/05/25 「女流棋士との親睦将棋会2013指導対局」
----------------------------------------------------
○久津知子女流初段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:向飛車
----------------------------------------------------
2013/05/01 「東京・将棋会館道場指導対局」
----------------------------------------------------
○大島映二七段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:四間飛車
----------------------------------------------------
2012/10/20 「第2回将棋だんだん」
----------------------------------------------------
○船戸陽子女流二段
棋譜
手合割:飛香落ち
戦型:四間飛車
○シークレットゲスト
棋譜
手合割:平手
戦型:先手藤井システム対右銀急戦
----------------------------------------------------
2012/06/30 「ショウギショコラオフ」
----------------------------------------------------
●船戸陽子女流二段
(棋譜失念)
手合割:平手
戦型:先手藤井システム対居飛車穴熊
----------------------------------------------------
2012/05/27 「ツ部会」
----------------------------------------------------
○藤田綾女流初段
棋譜
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り
----------------------------------------------------
2005/05/24 「第63期名人戦将棋フェスティバル」
----------------------------------------------------
●山崎隆之六段
(棋譜失念)
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り
○井上慶太八段
(棋譜失念)
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り対△5五歩位取り
○……勝
●……負
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2013/12/08 「将棋フェスティバル(@名古屋港湾会館)」
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●藤井猛九段
棋譜
手合割:飛車香落ち
戦型:四間飛車
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2013/08/03 「第47回東急東横店将棋まつり指導対局」
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●藤井猛九段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:向飛車
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2013/05/25 「女流棋士との親睦将棋会2013指導対局」
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○久津知子女流初段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:向飛車
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2013/05/01 「東京・将棋会館道場指導対局」
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○大島映二七段
棋譜
手合割:飛車落ち
戦型:四間飛車
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2012/10/20 「第2回将棋だんだん」
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○船戸陽子女流二段
棋譜
手合割:飛香落ち
戦型:四間飛車
○シークレットゲスト
棋譜
手合割:平手
戦型:先手藤井システム対右銀急戦
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2012/06/30 「ショウギショコラオフ」
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●船戸陽子女流二段
(棋譜失念)
手合割:平手
戦型:先手藤井システム対居飛車穴熊
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2012/05/27 「ツ部会」
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○藤田綾女流初段
棋譜
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り
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2005/05/24 「第63期名人戦将棋フェスティバル」
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●山崎隆之六段
(棋譜失念)
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り
○井上慶太八段
(棋譜失念)
手合割:二枚落ち
戦型:二歩突切り対△5五歩位取り
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